クラトス争奪戦


ここは名も無き村。
エクスフィアを作っていた一族が住む村だ。

そして…。


「もう知らない!あんな奴!」


と、プリズム状の翼を羽ばたかせて降り立ったクラトスがいた。
クラトスが自宅に戻ると。


「おかえり」
「よお、クラトス」


クロスとガゼルが出迎える。
クラトスはガゼルが座るソファーに座り真新しいクッションを抱いた。


「…ただいま」
「アホ神子はよ」
「知らぬ」
「また喧嘩かυ」


ガゼルは苦笑しながら酒を飲む。
ガゼルにしたら酒はジュースらしい。


「で?今回の原因は?」


クロスは聞きながら二人分の紅茶を煎れて二人が座るソファーの前に有るテーブルに置いた。


「私はただゼロスを心配しただけなのだ」
「うん」
「私がゼロスを心配すると、ゼロスが怒るのだ」
「なんで?」
「知らぬ、もうあんな奴知らぬ!」


クラトスはクロスが煎れた甘いミルクティーが入っているティーカップを取り一口飲む。


「まったく…良く喧嘩するな」
「父上に言われたら最後ですよガセンと毎日のように喧嘩するくせに」
「…言うな」


ガゼルは苦笑しながらクラトスを抱きしめる。


「まぁ良いじゃねぇか!」
「クラトスが帰ってきましたしね」
「ちょーっと!」


バン!

と、荒々しく玄関の扉が開き紅い髪の男…ゼロスが入ってくる。


「お兄様!?天使様を返してください!」
「…」
「…」


クロスとガゼルはニヤッと笑い…。

ガシッ。

ギュッ。

と、ガゼルはクラトスの肩を抱いて、クロスはクラトスの腰を抱いた。


「こんな所をガセンに見られたらヤキモチ妬かれますよ」
「大丈夫だって」
「ちょっ、二人共υ」


上からクロス、ガゼル、クラトス。


「あ、あのっ」


クラトスはティーカップを置いて自分を抱き締める二人を見た。


「ん〜?クラトスは良いんだぜ?アホ神子で遊んでるだけだから」
「そゆこと」


ガゼルとクロスは意地悪な笑みを浮かべてゼロスを見る。


「人の弟がせっかく心配してゼロスを癒そうと頑張ったのに」
「う…υ」
「それを、怒鳴ってクラトスを傷付たとなっちゃ、考える必要があるなぁ…身内として」
「ぐっ…υ」


ゼロスは言葉と言う攻撃で4028のダメージを受けた。


「で?ゼロス」
「…スミマセンυ」
「よろしい」
「天使様を返してくださいυ」
「どうします?父上」
「ん〜」


ガゼルはクラトスを見ると…。
クラトスはこちらを見上げていた。


「…苛めたりねぇから却下」
「父上υ」


クラトスはゼロスを見みる。
捕らわれの姫的なクラトスと、捕らえた身内二人に対抗する王子様的なゼロス。
はたからみたらそんな風景。

ゼロスは最終手段を使う事にした。


「ちょっと!お父様!?アンタにはガセンっつー悪魔がいたでしょうがよ!」
「あ?…ああ、気のせい気のせい」
「ほう…?」


黒い風と共に声がして、ガゼルは冷や汗を垂らした。

現れたのは…。


「気のせい…か。
そうか、お前はそんなにクラトスが良いのか」
「が、ガセン!」


ガゼルは立ち上がり必死に弁解しようとするが…。


「もう良い!お前なぞ知らん!」


クラトスと似たようなセリフを言うガセンはガシッとゼロスに抱き着いた。


「え…υ」
「ゼロスを貰うから良い」
「ちょっと待て!お前は悪魔だろうが!なんで神子のそいつに行く!?」


ガゼルの言い分は正しい。
神子は言うなれば聖。
悪魔は闇。
相性は最悪だ。


「ふん、この際構わん」
「構えよ!てか、アホ神子!お前もお前だ!何抱き着かれてやがる!」
「はぁ!?アンタらの喧嘩に俺様を巻き込むなよ!」
「ぶった斬ってやる!」


ガゼルは剣を抜いき、ガセンまでもが剣を抜いた。

クロスはクラトスに抱きしめたまま紅茶を飲み、クラトスも諦めたようで紅茶を飲み始める。
クラトス争奪戦はどうやら一時中断。

ガゼルとガセンの痴話喧嘩に巻き込まれたゼロス。
魔界からガセンを見に来たセント。「楽しいね」
「はぁ……」


ガキン!ガキン!

と、火花を散らして剣を交わらせるガゼルとガセン。
二人の間にいるゼロス。
外野でどう止めに入るか考えるセント。
そして、それを見るクロスとクラトス。


「輝く御名のもと、地を這う汚れた魂に裁きの光を雨と降らせん
安息に眠れ、罪深き者よ…
ジャッジメント!」


クラトスはいい加減めんどくさくなり最終手段のジャッジメントを唱えた。


「うわ!?」
「ぐっ!!」
「うぎゃっ!」


ガセン、ガゼル、ゼロスにヒットして痴話喧嘩が止まる。
セントは即座にガセンを回復させた。


「家の中で剣を振り回すのは禁止だ」
「わ、わりぃυ」
「すまんυ」


ガゼルとガセンは素直に謝り、剣を直す。
そして、クラトスはティーカップを置いてゼロスに抱き着いた。


「怪我は無いか?」
「…天使様、ジャッジメント喰らわせておいてそれ?」
「緊急事態だったからな」
「まぁ良いよ、天使様のジャッジメントは慣れたから…」


ゼロスはギュッとクラトスを抱き締めた。
ガゼルはソファーに座り、クロスは、やれやれ…と。苦笑した。


「ごめんね?天使様…」
「ん…構わぬ、ゼロスがこうして来てくれたのだから」
「天使様vV」
「ゼロス…」
「愛してるよvV」
「私も…愛してる…///」
「…せっかくの所悪いな…やるならさっさと帰れ!」


ガセンの言葉にハッとしるクラトス。

4人の中心で抱き合い甘い、二人の世界に入っていたのだった。

クラトスは真っ赤になり家を出て行った。


「クラトス争奪戦は俺様の勝ちっしょ?お兄様」
「今回だけは負けといてやるよ、セントが来たしね。
父上もいいでしょ?」
「ああ、クラトスとアホ神子で遊ぶのは楽しいから好きなんだが…」


ガゼルはガセンを見た。


「俺の一番が来たからな」
「…馬鹿///」


ガセンはガゼルの隣に座り抱き着いた。


「また来いよ、アホ神子」
「アホ神子アホ神子言うなよなぁυ」


ゼロスは苦笑して家を出て行く。
そして、ガゼル達は二人を話題にお茶を始めたのだった。


クラトス争奪戦

勝者ゼロス・ワイルダー


END