こわ〜い(?)話 その1
ある日の事。シルヴァラントベースに清掃車がやって来た。
「ちわ〜!粗大ゴミの回収に来ました〜!」
顔を見合わせる隊員達。
「粗大ゴミ?…そんなもん、誰か頼んだか?」
「さあ?俺は知らねえぞ。」
「ボータ様じゃないのか。なんたってボータ様は俺達レネゲードの『主婦』だからな。」
「そっか。でもボータ様は今留守だぞ。何を出そうとしていたのか分からねえ。」
この最後の言葉に清掃局の者は眉をひそめた。
「ちょっと困りますよ。ちゃんと表に出しておくように言っておいたじゃないですか。」
「そんな事言ったって仕方がないじゃないか。ボータ様は忙しい方だからつい忘れてしまったんだろう。なんたってボータ様は俺達レネゲードの『おっかさん』だからな。」
「主婦だろうがおっかさんだろうが、こちとらにゃぁ関係ないんすよ。忙しいんだから出すのか出さないのかはっきりしてもらいましょうか。」
「だからさ。おっかさ…いや、ボータ様がいないから分からないんだよ。悪いけど出直して…」
すると別の隊員が、
「おい、それはちょっとまずいんじゃねえか。もしこのまま帰しちまったら、あとでボータ様に『お前らゴミ出しも満足に出来ねえのか!』って怒られかねないぜ。」
「けどよ…。」
「だから考えようぜ。ゴミって言うからには、無くたって困らない使えないものを探しゃいいんだからよ。」
「おう、成程。ふむ、使えないものね………お!俺、閃いちまったぜ!!」
「お?分かったのか?」
「おう、あたりきよ!そんなもの、このベースには一つしかないじゃねえか。」
そして隊員達は『それ』を清掃局に渡したのだった。
それからしばらくしてボータが帰って来ると、隊員達はお菓子を食べながら寛いでいた。
「いや〜、さっぱりしたな。…あ、ボータ様、お帰りなさい。さっき粗大ゴミの回収が来ましたから、ちゃんと梱包して出しておきましたよ。」
「粗大ゴミ?ああ、今日だったのか。すっかり失念していたよ。」
…って、待てよ。梱包したって?
粗大ゴミをきちんと梱包して出しただなんて話、聞いた事がないが……まあ、いいか。
「しかしお前ら何を出すのかよく分かったな。」
「そりゃあね。」
「おお、そうか。そう言えばあれに関してはお前達も『やることなすこと間違いだらけで使えない』とぼやいていたものな。」
「そうっす。役立たず、役立たず。」
「まあそう言うな。恐らく頭脳がショートしてしまったのだろう。あれも長い間働いてくれたからな。」
「そうそう、クルクルパー、クルクルパー。」
「だからそういう事を言うなと…。ま、とにかく出しておいてくれて助かった。有難うな。」
「いいえ〜。当たり前のことっす。」
「ところでユアン様は?そろそろ昼寝から目覚めてもいい頃だが…。」
「ユアン様?…やだなあ、いるわけないじゃないですか。」
「いるわけない?どうして?」
と、そこまで言ってからある事に気付き目を見開くボータ。
「……まさかお前達、ユアン様を粗大ゴミに出したわけじゃないよな?」
「だって粗大ゴミってユアン様の事なんでしょ。」
ブチッ!(ボータの堪忍袋が破れた音)
「ばかもの―っ!我がレネゲードのリーダーをゴミに出してどうする!?」
「え…でも、長年使って頭が爆発した役立たずって言ったらユアン様しかいないじゃないっすか。」
「私が出そうとしていたのは地下にある中古のコンピューターだっ!!」
「え?え?ええ〜〜〜っ!?」
その後ボータがすぐにユアンを引き取りに行った事は言うまでもない。
そして隊員達はやがて訪れるであろう地獄の制裁の嵐を思い、二人が戻ってくるまでずっと恐怖に戦いていたのだった。
−おわり−