※これはリガクラというより、リガ→クラ話です。
クラトスとゼロスが当然のように同じパーティ内に存在しています。
クラトス中心の第二のフラノ―ルデートイベントが勝手に作られています。
リーガルが別人と化してます。
大昔のアニメのセリフが登場します。理解できない方もいるかもしれません。てか、その方が圧倒的に多いかも。
そして相も変わらずくだらない内容です。
それでもいいという方のみお読み下さい。↓
クラトスの星
それはクラトスの一言から始まった。
「私はリーガル殿は恰好良いと思うがな。手枷のハンデも物とせず何発も蹴りを入れて行く姿は称賛に値する。」
「!!…クラトス殿…」
その日、宿屋の食堂にてこれまでの戦闘に関する反省会が行われ、例によって攻撃が当たらず空振りし続けていたリーガルは皆のブーイングを浴びたのだった。そんな中、クラトスが一人リーガルを庇う発言をしてくれたのだ。
「そりゃあ、攻撃が当たればカッコいいでしょうがね…」
そんなクラトスに、ゼロスが面白くなさそうに口を挟んできた。
「おっさんの場合当たる方が奇跡でしょ。苦手な敵からは逃げ回ってばかりだし、はっきり言って役に立っていないよね。」
「敵から離れ、いいポジションを確保する事も戦略の一つだろう?それに攻撃が当たっていないのは他の者にも言える事だ。私だって空振りする事はある。ゼロス、お前とてそうだ。それなのにリーガル殿一人を皆で責め立てるのはどうかと思うがな。」
「けどよ…」
「それに敵を倒した時のリーガル殿の決め言葉…あれは絶品だな。片足を上げ、『さらば弱きものよ』と低音の声で言われるとシビレルものがあるではないか。あのなまめかしく腰をフリフリしている所もまた堪らない。私は好きだな。」
途端にその場全員が目を丸くしてクラトスを凝視する。
「ん?私は何か変な事を言ったか?」
キョトンとしているクラトスに、リフィルが咳払いをした。
「クラトスの言う通りね。これはあくまで皆の戦闘についての反省会なんだから個人を吊るし上げるのはよくないわ。私を含め、全員に細かいミスが目立っていたのは事実なんだから、各自で反省する事にしましょう。」
こうしてその場はお開きとなり、皆はそれぞれに散っていった。
リーガルは直ぐにクラトスへと駆け寄った。
「クラトス殿、有難う!」
「気にする事はない。私は本当にそう思ったから言ったまでの事。」
「それでも嬉しかった。私はこれからも(クラトス殿の)期待に応えるべく努力していくからな。」
「うむ。何事も修行が大切だ。お互い頑張っていこう。」
クラトスの差し出された手を、感涙にむせびながら握り返すリーガル。
「……ところで…その…クラトス殿はどんな人間が好みなのだろうか?」
「好み?私はアンナのような優しくきめ細やかな女性が好きだな。」
「…い、いや…そうではなくて同じ男としてどんなタイプに惹かれるか、という意味なのだが…少しでも、その、好かれたいと思ってな…」
リーガルはそう言いながら、自分の顔が赤くなっていくのを感じていた。
何故赤くなる!これではクラトス殿に変に思われるではないか!
だが、クラトスはそんなリーガルを見て怪しむどころかニッコリと笑ったのだった。
「そうか。リーガル殿もとうとう…リーガル殿がそんな気持ちになってくれて嬉しく思うぞ。そうだな…筋骨隆々の男がいいと思うぞ。その点リーガル殿なら大丈夫だ。あとはペルシャブーツでも履けば完璧ではないか?」
では、と去って行くクラトスを見送っていたリーガルは、その姿が見えなくなるや否や雄叫びを上げた。
「うおおおおおおおお!!」
聞いたか?リーガル殿なら大丈夫だと言っていたぞ!嬉しいと言っていたぞ!ニッコリと笑ったぞ!
…うむ、筋骨隆々の男か!よし、この肉体をもっともっと鍛え上げるのだ!そしてクラトス殿が目を瞠るようなマッチョな男に変身しよう!!何故ここでペルシャブーツが出てくるのかは気になるが、きっと彼はああいう癒されるものが好きなのだろう。なにしろ彼は四千年間戦いの中に生きてきたのだからな。
こうしてリーガルは、食堂にいる全員の好奇の視線を一身に受けながら、勢いよく外へと飛び出して行ったのだった。
さて、食堂を飛び出してきたリーガルは、一人、トリエットの占いの館に来ていた。
「はいはい、クラトスさんとの相性ね?……うん、いい線いっているんじゃない?あとひと押しってところね。」
「……ひと押しか。」
「彼の方でもあなたの事は気になっているようだし、とにかく押して押して押しまくる事よ。がんばって〜〜!」
「有難う。」
お姉さんに礼を言って上機嫌で表に出てきたリーガルは、拳を握り天を見上げた。
「宿命かっ!!!」
そうとも。あの天使を初めて見た時から私は宿命を感じていた。チョコチョコとロイドの前に現れるあの男を見る度に、私は彼の持つ独特の雰囲気に自分と同じ何かを感じ取っていた。知らず知らず彼に惹かれて行く自分に戸惑いを覚えていたものだった。そしてそれを決定付けたのは、あのデリス・カーラーンでの事だ。ロイドを先に行かせ、一人天使たちと戦っていた私の前にあの男が現れた。彼のあの神々しいまでの姿を見た途端、私は一発で惚れ込んでしまった。それから彼の過去を知り、彼が私と同じ悲しみを抱いている事を知ってからはその思いは一層募って行った。
彼が欲しい!あの体を強く抱きしめ、悲しみに凍えきってしまった心ごと温めてやりたい!
同じ傷を持つ者同士がこうして巡り合った事を宿命と言わずしてなんとする!
安心しろ、クラトス殿。これからはこの私がずっと一緒に…
リーガルがそんな妄想に走りながらニヤけていると、その肩を叩いてきた者がいる。
「うるさいぞ!人が幸せに浸っているのを邪魔するものではない。人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ!!」
怒鳴りながら振り返ったリーガルは、その人物を見て目を丸くする。
「ロイド…?」
いかん、いかん、もしかしたらこいつが私の息子になるかもしれんのだ。ここはグッと怒りを抑え大人の貫禄を見せねばならんだろう。
「やあロイド。こんな所で会うとは奇遇だな。」
ロイドはニッコリと笑った。父親とそっくりなその笑顔に、リーガルは思わず胸をときめかせてしまう。
「今、恋路って言ってたよな?フ〜ン、恋路ねえ…」
「な、な、何だ。私は別に…」
慌てるリーガルに、ロイドは手を振ってみせた。
「いいから、いいから。ちゃんと分かってるって。俺、力になってやってもいいぜ。父さんに気に入られたいんだろう?」
「……」
「知ってる?今度、デートイベントがフラノ―ルであるんだ。」
「へ?フラノ―ル?しかしあれは…」
「前回とは違う第二のデートイベントだよ。この間は俺のだったけど今度は父さんのイベントなんだ。そこでだ。俺としてはゼロスよりリーガルに選ばれて欲しいんだよね。(あいつよりはリーガルの方がまだマシだし)」
「ゼロス?」
「あいつが今、父さんの好感度第一位なんだ。リーガルは二位。でも、ホンのちょっとの差なんだぜ。頑張れば逆転の可能性もあるってコト。」
「そ、そうなのか?」
「うん。だから、リーガルには頑張って父さん好みの筋肉マンになってもらわなくっちゃ。」
聞いていたのか?…お前はクラトス殿との会話を盗み聞きしていたのか!?
「そこで、その筋のスペシャリストを連れて来たんだ。」
すると、ロイドの後ろに立っていた男が進み出る。
「その筋のスペシャリストです。」
「何がスペシャリストだ!お前はユアンではないか!!」
目を剥くリーガルを、ロイドはまあまあと宥めると、
「ユアンに任せれば安心だぜ。だってユアンって発明王だし。なんたってシルヴァラントベースやテセアラベースを作っちゃった程なんだから。それにユアンなら父さんの事もバッチシ把握出来てるだろうしね。」
「そうです。クラトスデータの豊富さにかけては私の右に出る者はいないでしょう。私に任せておけばあなたもクラトス好みの男に生まれ変われる事間違いなし!さあ、共に頑張ろうではありませんか!」
「……」
「そこで今回リーガル様改造の為に特別メニューを用意し、こんなものをお持ち致しました。」
ユアンが取り出したものを見て目を丸くするリーガル。
「……なんだ、それは?」
「ユアン開発の脚力養成ギブスですよ、フッフッフッ…。これを足に付けて筋肉を鍛えてもらいます。」
「フッフッフ…っじゃない!私は『星 飛雄馬』ではないんだぞ!!」(※注1)
「でも、リーガルは父さんとラブラブになりたいんだよな?」
「そうだ。クラトスの為、あの星目指して頑張るのだ!今日からあの星を『クラトスの星』と呼び苦難を乗りこえて行こう!思い込んだら試練の道を、だ。それが男のど根性なのだぞ!」
「……昼間で星など見えんのだが…それにそんなもの付けたら歩けぬではないか!」
「大丈夫、ギブスは友達だよ、リーガル!ちっとも怖い事なんてないんだ!」(※注2)
「お前は『キャプテン翼』か!…昔のスポ根マンガの台詞を次々と…これでは誰も意味が分からんではないか!!」
「つべこべ言うんじゃない!いくぞ、リーガル!まずはロードワークだ!!女である事に甘えるな!パワーテニスを目指すのだ!!」(※注3)
「私は『岡ひろみ』ではな〜い!それに私は元々男だ〜〜〜〜!!」
泣き叫びながら無理矢理に引きずられて行くリーガルに、ロイドは爽やかな笑顔を浮かべ手を振るのだった。
「頑張れよ〜。父さんの好感度第一位になるんだぜ〜〜」
その数日後、再び旅立つ為に宿屋の前に集合したロイド達であったのだが…
「よ〜し、みんな。頑張って平和な世界を取り戻そうぜ!!」
「「「「お〜〜!!」」」」
意気揚々と出発しようとしたロイド達をクラトスが引き止めた。
「待て。リーガル殿の姿が見えんようだが…」
「あら、そう言えばそうね…どうしたのかしら?」
首を傾げるクラトスとリフィルに、ロイドが笑ってみせた。
「心配いらねえよ。リーガルなら修行に励んでる。ちょっと遅れるけど、フラノ―ルでは追い付くから心配するなって言ってたぜ。」
「修行?」
「うん。何かさ、考えるトコがあって己を鍛え上げたいんだってさ。」
「あたしたちが責めたのがいけなかったのかねえ。リーガル、相当落ち込んでたみたいだし…」
「しいなが気に病む事はねえだろう。俺達は本当の事を言っただけなんだから。丁度いいじゃん。どうせおっさんなんて居ても居なくても、さして影響はないんだから放っておけばいいじゃんよ。」
「ゼロス!!またお前はそういう事を!」
クラトスに怒鳴られ、肩をすくめるゼロス。
「仕方無いわね。彼の事は心配ではあるけれど、フラノ―ルでは追い付くと言っているのだから私達もフラノール目指して出発しましょうか?私達も先を急ぐ旅でもあるわけですし。」
「うむ……しかし…」
まだ難色を示しているクラトスの背を、ロイドが叩いた。
「大丈夫だって言ってるだろ?見違えるようになって戻ってくるって。父さんを驚かす為に頑張っているんだからさ。」
「私の為?」
「そうだよ。あなた色に染まりますってやつ。」
「?????」
とにかく一行はとりあえず次の目的地フラノールを目指す事にしたのであった。
「ちょっとロイド君、な〜に企んでるわけ?」
「へ?なんのことだ?」
惚けるロイドを、ゼロスは睨みつけた。
「フーン、そう言う事。ロイド君はおっさんの側に付いたってわけだ。でもな、俺様は負けないぜ。フラノ―ルでは俺様と天使様がデートする事に決まってるんだからな!」
捨て台詞を吐いて皆の方へ去って行くゼロスを見て、ロイドはほくそ笑んだ。
「そんな事言ってられるのも今のうちだって。なにしろこっちは父さんの好みを掴んでいるんだからな。」
一方、その話題の中心人物リーガルといえば、ユアンの指導の元、フウジ山岳でひたすら過酷な訓練を重ねていた。この数日間でリーガルの逞しい体には更に磨きがかかり、一段と見事な筋肉美へとなっていた。
伸びるヒゲを剃る事も忘れひたすら訓練に身を投じるリーガルを見て、ユアンは満足そうに微笑んだ。
「いいぞ。始めた頃とは目つきが変わって来たな。」
「これもクラトス殿の愛を手に入れる為だ。私はどんな辛い事でも耐えて見せよう!」
「いいぞ!それぞ男の心意気!今のお前なら、クラトスも迷いもなく受け入れる事だろう。」
「まだだ!もっともっと鍛えて、クラトス殿をメロメロにしてみせるぞ!!」
“リーガル殿!そのお姿は!?”
“フ…。クラトス殿の思いに応える為、山に籠って鍛えてきたのだ。どうだ?気に入ってくれたか?”
“なんて…なんて素敵なんでしょう!”
胸に抱きついてくるクラトス殿。
“逞しいこの胸…不安が取り除かれて行く…”
“安心しろ、クラトス殿。これからはこの私が貴公の事をしっかりと支えて行ってやる”
“ああ、リーガル殿…”
“クラトス…”
(なんかこのパターン、別の話で見た事あるような…)
妄想逞しく、一人ニヤけるリーガルに、ユアンの鞭が飛んだ。
「雑念を捨てろ!ひたすらあの星を目指すのだ!!」
「はいっ!すみません、師匠!!」
リーガルは歯を食いしばり空を見上げた。その目に映る一点の星。
昼間であろうと、今の私にはハッキリと見える。
私は必ず掴んで見せるぞ!
あの空に輝く『クラトスの星』を!!
そしてそのまた数日後、すっかり逞しくなったリーガルは山を下り、ユアンと共にロイド一行の後を追ったのだった。
リーガル達がフラノ―ルに着いた時、ロイド達はなんと戦闘の真っ最中であった。
「むっ!?あれはビックフット!クラトス殿が危ない。待っていろ。今行くぞ、クラトス!!」(なんでこのモンスターがフラノ―ルに?とお思いでしょうがこの際それは無視して下さい)
「おい、リーガル。その姿で出て行くのはまずいと思うのだが…」
ユアンの制止を振り切り駆け出して行くリーガル。
「…どうなっても知らんぞ。」
ユアンは頭を振り振り溜息をついたのだった。
ロイド達は、ビックフットの集団に苦戦を強いられていた。
そこへ颯爽と登場したリーガル。
「牙狼連濤打!!!」
まさにクラトスに襲いかかろうとしていた一匹を蹴り飛ばす。
この突然の乱入者に、その場の全員が目を見開いた。
フフフ…驚いている。皆が逞しく生まれ変わった私を見て言葉を失っているぞ!
ニヤリと笑うリーガル。しかし…
「おのれ!!新種のビックフットか!!」
「……はい?」
予想外のクラトスの言葉に首を傾げるリーガル。
無理もない。何しろ山を下りて来たばかりだったリーガルは、髪はボサボサ、ヒゲは伸び放題。おまけに鍛え上げた体は更に筋肉が付く事により1.5倍に膨れ上がっていた。ビックフットと並んだらどっちがどっちか見分けが付かない状態だったのである。
「突然変異かしら?これは研究のし甲斐があるわね。」
「仲間割れしている内にやっつけちゃおうよ。」
「己の不運を嘆くがいい!!」
やる気満々の皆を前にして、リーガルは後ずさった。
「え?い、い、いや、私は…」
「逃がすか!!風雷神剣!!」
「フォトン!!」
「エクスプロード!!」
ぎゃああああああ!!!
倒れた“新種のビックフット”に止めを刺そうとした一同であったが、そこへ青い髪の謎の覆面戦士が登場し物凄い速さでビックフットを引きずって連れ去ってしまったのだった。その様子を見たロイドは、初めてあのビックフットの正体に気付いた。
「む?あいつも仲間か?」
「い、いや、違うんじゃない。ていうか、きっとあのビックフットは良い奴だったんだよ。」
「良い奴?」
「ほ、ほら、あいつが乱入してきたのって父さんがピンチの時だっただろう?」
「…言われてみればそうだな……しかしあの青髪の覆面男、どこかで見たような…」
「気の所為だよ、気の所為。それより敵もいなくなったんだから、早く街に入ろうぜ。今夜はイベントがあるんだから、父さんもオメカシしないとね。」
「?????」
ロイドは訳の分からない様子のクラトスを無理矢理引きずって行く。一同も首を傾げながらも二人の後に続いて街へと入って行ったのだった。
さてその夜、クラトスは降りしきる雪の中、一人外に立っていた。
街全体を見下ろせるここは、以前自分がロイドと語りあった場所であった。ここで自分は全てをロイドに話した。あの時自分は死を覚悟していた。再びここに立つ日が来ようとは露ほども考えてはいなかった。それが生きて再びこの景色を見る事ができようとは…。
感慨に浸っていたクラトスは、そこでブルブルと体を震わせた。
「しかし寒いな。デートイベントだか何だか知らんが早く終わってくれないものか…。何もこんな夜中にやる事なかろうに。」
ブルブルと震えながら、文句タラタラと、それでもひたすら待ち続けるクラトス。
そんな彼の様子を窺う人影が二つ。言わずと知れたリーガルとユアンであった。
「よし、今度は完璧だな。」
今のリーガルはきちんとヒゲも剃り、髪も束ねている。
「大丈夫だ。これならモンスターに間違われる事もないだろう。ほれ、お待ちかねだぞ。早く行ってやれ。」
ユアンは、緊張のあまりコチコチになっているリーガルの体を押し出した。
よし、覚悟を決めるんだ。ここが正念場だぞ!
大きく深呼吸をして決死の覚悟でクラトスの元へと歩いて行くリーガル。
「!!…リーガル殿?」
現れたリーガルを見てクラトスは目を丸くした。
「驚いたな。見違えたぞ。一段と逞しくなって…」
「そ、そうか?今日の日の為に頑張って鍛えてきたのだ。それ、ペルシャブーツだって装備してきた。」
照れ臭そうに言うリーガルを見て、クラトスはニッコリと笑った。
そう、この笑顔だ…これを見る為に私は地獄の特訓に耐えてきたのだ。
生まれ変わった私を見て、見違えたと言ってくれた。これは脈ありだぞ。
よおし、もうひと押しだ。頑張れリーガル。今こそ、この胸に秘めてきた思いを告げる時だ。
「ク、ク、クラトス殿…わ、私は…」
「この惚れ惚れするような肉体美…まさに修行の賜物だな。ペルシャブーツも履いているし、完璧ではないか!」
「クラトス殿!!」
「これならきっとプレセアも気に入ってくれるだろう。よかったな。」
クラトスを抱きしめようとしていたリーガルは動きを止めた。
「へ?プレセア?」
「リーガル殿はプレセアを好いているのだろう?そんな噂を以前聞いた事がある。実は私は、過去にアリシアの事があった所為なのか、なかなか新たな恋をする事が出来ずにいるリーガル殿を密かに心配していたのだ。だがこれで安心した。リーガル殿もやっとこうして彼女を獲得すべく行動を起こし始めたのだからな。彼女は熊が好きなようだから、同じような肉体を持つリーガル殿に惹かれる事請け合いだ。ペルシャブーツがあれば二人でにくきうをフニフニできるだろう?」
「あ…いや、私は…」
想定外のクラトスの態度に戸惑うリーガル。
と、そこへ…
「ごめん、父さん。随分と待たせちまった…」
「ロイド!!?」
新たな訪問者ロイドと、クラトスを交互に見つめるリーガル。
なんとロイドを見たクラトスは喜びに顔を輝かせている。
「す、すまん、クラトス殿。ちょっと待ってくれ。ロイドに話があるのだ。」
「ん?ああ、構わぬが。」
リーガルはロイドの腕を掴んで離れた所へと連れて行った。
「これはどういう事だ!?」
「ごめんよ。さっき調べなおしたらさ、好感度第一位はゼロスじゃなくって俺だったんだ。だったら別にリーガルに頑張ってもらわなくてもいいかな〜なんて思っちゃってさ。」
「思っちゃってって…お前なあ!」
「俺は父さんに変な虫が付くのが嫌だったんだ。父さんが選ぶのが俺なら何の問題もないってわけ。…ま、そう言う事だから。悪いな、リーガル。」
リーガルは、父さ〜ん、と手を振りながら走って行ってしまうロイドを呆気にとられた様子で見つめていた。
「もう話は済んだのか?」
「ああ、済んだよ。それじゃあ、行こうか。肉料理が美味しい店を見つけたんだ。」
腕を組み立ち去ろうとするロイドを抑えて、クラトスは振り返った。
「リーガル殿。」
「え?」
「プレセアなら宿屋の部屋に一人でいたようだぞ。今がチャンスではないか。頑張れよ、応援しているぞ。」
そして今度こそロイドと二人腕を組み、仲良く立ち去って行ってしまったのだった。
呆然と立ち尽くすリーガルの元へやってくるユアン。
「こんな日もあるさ。元気を出せ、リーガル。」
「お前に慰められたくはないわ!第一お前のクラトスデータはどうなっているのだ!?」
「仕方無かろう?とかく人間の心というものはデータ通りには動かぬものなのだ。」
「そんな…それじゃあ、あの地獄の特訓は一体何だったのだ?」
「いいではないか。おかげで体が鍛えられ、立派に生まれ変わる事が出来たのだ。これからはどんどん戦闘で役に立って行く事ができるぞ。役立たずと言われる事もない。それだけでも、よしとしなければな。」
「……」
リーガルは悲しみのこもった目で、クラトス達が去って行った方を見詰めた。
クラトス殿…違うのだ…プレセアも確かに魅力的な女性だ…だが、違うのだ。私が思いを寄せていたのは…
「うわあああああああん!!」
ついにリーガルは泣きだした。
さらばだ、『クラトスの星』…
そして私の甘酸っぱい恋心よ…
夜空に輝く『クラトスの星』を睨みつけながら、まるで子供のように泣き続けるリーガルを、ユアンは傍らで慰め続けるのだった。
哀れなリーガルの泣き声は、その夜、いつまでも、いつまでも夜空に響き渡っていた。
−クラトスの星 終−
注1:「巨人の星」の主人公。子供の頃に大リーグボール養成ギブスなるものを付けていた。
注2:「キャプテン翼」の中で、ボールを怖がるチームメイトに翼が、「ボールは友達、怖くないよ」と言う場面がある。
注3:「エースをねらえ!」の中で宗方コーチがひろみにそのように言う場面がある。
※駄目ですね〜。やっぱり私にとってリガクラはこれが精一杯かもしれません…。いや、そもそもこれ、リガクラじゃないだろう?(汗)