再生の神子
ここは救いの塔。
クラトスとロイド達が睨み合っていた。クラトスの背には蒼い翼が輝いており、その後ろには感情を失ったコレットがいる。
「私はクルシスに属する者。再生の神子を護衛する為に遣わされた大天使クラトスである。」
クラトスの正体を知り、驚愕に目を見開くロイド達。
「クラトス、裏切るのか!?」
いきり立つロイドを無表情に見やるクラトス。
そんなクラトスへリフィルも言う。
「やはり私達を騙していたのね。」
「騙すとは?」
クラトスは無表情なままリフィルへと視線を移した。
「神子によって世界が救われる……それはお前達も望んでいた事ではなかったのか?」
「それは…」
クラトスの的を得た言葉に思わず目を伏せるリフィル。
するとロイドが叫んだ。
「違う!やっぱりこんな事は間違っている。コレットを犠牲にして助かろうだなんて…。くっそ〜、コレットを返せ!!」
「無理だな。神子には『再生の神子』としての役目を果たしてもらう。この事はお前とて十分承知していた筈だ。その上で神子の再生の旅に同行して来た。違うか?」
「くっ…」
「これから神子はリサイクルゴミとして出され、トイレットペーパーとして生まれ変わるのだ!!」
はい?トイレットペーパー?……って、そんな話聞いてねえよ!
「今までの神子達も全てトイレットペーパーとして再生されてきた。」
そう言いながら傍らに置いてあった袋からトイレットペーパーを取り出すクラトス。
「ほれ、この様にこれには再生された神子の顔が図柄となって入っている。なかなか可愛いと評判でな。エロおやじどもに飛ぶように売れるのだ。次はコレット模様のペーパーが売られる事になる。」
コレット模様のトイレットペーパー!?
そ、それは…
「ちょっとロイド。今、欲しいって思ったでしょ?」
固まっているロイドにジーニアスのつっこみが入る。
「だってコレットの模様が入っているんだぞ!エロおやじじゃなくても欲しいって思うだろ!?お前は欲しくないのか!?」
「え?…えっと…僕は…」
吃りながら顔を赤らめるジーニアス。
どうやら彼も満更でもないようだ。
「だろ?コレットなら優しく尻を拭いてくれるに違いない…」
ボカッ!!
「あんた達!何をいやらしいコト考えてるんだい!!このままじゃコレットがトイレットペーパーになっちまうんだよ。それでもいいのかい!?」
「いや、例えトイレットペーパーになろうともコレットはコレットだ。俺の友情は変わらない!」
「そういう問題じゃないだろ!」
ロイドを蹴り飛ばすしいな。
するとそこへぴちぴちタイツ姿の男が姿を現した。
「クラトス。さすがのお前も本気にはなれなかったようだな……って、まだ戦っていなかったの?」
「何だ、お前?」
「…この方はクルシスを束ねるユグドラシル様だ。」
変な男の突然の登場に目を丸くするロイド達に説明しながら跪くクラトス。
そんなクラトスへユグドラシルは癇癪を起したように言った。
「ちょっとクラトス、何をぼさぼさしているのさ。トイレの紙がなくなりそうなんだ。早く新しいのを持ってきてよ!」
「ちょっと待て!ユグドラシルだか湯沸かし器だか知らねえが、お前なんかにコレットトイレットペーパーを渡して堪るか!」
「フン!このトイレットペーパーは私のものだ。邪魔をするならお前達もまとめてペーパーにしてやる!」
「ぬかせ!!」
「ユグドラシル様。神子はまだトイレットペーパーにはなっておりませんが…」
ぼそぼそと言っているクラトスを横目に戦闘が始まった。
と、そこへ…
「リサイクルゴミの回収に来ました〜〜!」
数人の男達がなだれ込んできたかと思うや否や、コレットを抱えて連れ去ろうとする。
「待て!お前達、いつもの業者ではないな!?」
「いいえ〜いつもの業者です〜〜!」
ユグドラシルの制止もきかず、スタコラサッサと逃げ出して行く男達。
「待ちやがれ!俺のコレットトイレットペーパーを返せ!!」
「いや、だからロイド、まだ神子はトイレットペーパーには…」
再びぼそぼそと言っているクラトスを無視して、ロイド達も業者の後を追って行ってしまった。
「チッ、レネゲードめ。煩い蠅が!……クラトス。てなわけでトイレットペーパーがなくなっちゃったからさ、スーパーで買って来てくれないかな。」
「…御意。」
ユグドラシルが去り、一人残されたクラトスはロイド達が去って行った方を見詰めながら呟いた。
「レネゲードに救われたか…。ロイド、死ぬなよ。」
本当の戦いはこれからだ。
果たしてロイド達はコレットトイレットペーパーを手に入れる事が出来るのだろうか?
−つづきません−