猛烈アンナさん
愛するアンナと共にクルシスの手から逃れる旅…。
それは辛く苦しいものであったが、ロイドという新しい家族を迎える事も出来、私達にとっては幸せな時間でもあった。
だが物事には全てにおいて終りというものがある。
私達のこのささやかな幸せもそこから逃れる事は出来なかったのである。
「アンナ ―― ッ!!」
心ない人間による賞金欲しさの密告により私達の居所はクヴァルに知られる事となり、私の善戦もむなしく、アンナはその手からエクスフィアを剥がされエクスフィギュアと化してしまったのだ。
悲痛な叫びを上げた私の方を顧みるアンナ。
「クラトス…お願い。私を殺して…」
「なっ!?…そんな事出来るわけがないだろう。」
「このままでは私はロイドやあなたをこの手で殺してしまう。だから…」
「しかし……」
「お願いよ、クラトス。私が私であるうちに早く…」
私は震える手を剣にかけた。
こうなってしまった以上、それしか彼女を救う術は残されていない事は分かっていたが、それでも私は躊躇せずにはいられなかった。愛する彼女を殺す事など、どうして出来ようか。何か手がある筈だ。彼女を殺す事無く助ける方法が何か…。
怪物と化したアンナを前に思案に暮れる私。だがいくら考えても良い案が浮かぶ事はなく、時だけが無情に過ぎて行く。
すると、そんな私に向かって突然アンナが苛々したように叫んだのだった。
「え〜〜いっ、まったくもって煮え切らない男だね!うだうだと考えている暇があったらスパっとやれっちゅ〜の!!」
(はい?)
それからアンナは、私達の背後にいるクヴァルを指差すと、
「大体、そこのお前!何をニヤニヤと見物してんだよ!全ての発端はあんただろうが!!」
そう怒鳴るとともに、目を丸くしている私の横をドタドタと走り抜けていくアンナ。
そしてそのまま真っ直ぐにクヴァルの所へ行った彼女は、その長い手を振り回して数回往復びんたを食らわすと、最後に止めとばかりに華麗なアッパーカットをぶち込んだのであった。
大きな弧を描きながら空の彼方へと消えていくクヴァル。
その後も彼女の猛反撃は続き、ついには逃げ惑うディザイアン達を一人残らず弾き飛ばしてしまったのである。
「すっきりと綺麗になったわね。」
服についた埃をパタパタと払いながら満足気な笑みを浮かべるアンナ。(これが笑みと呼べるのかは甚だ疑問であるが…。)
「アンナ…その…なんだ…お前、正気なのか?」
私はアンナに恐る恐る尋ねた。
ディザイアンが一掃されたのは結構な事だ。アンナ強しとしか言いようがないだろう。しかしながら、一度エクスフィギュアとなってしまったが最後、正気を保ち続けられた者など過去に存在しない。今この瞬間にも彼女は私達に襲いかかってくるかもしれないのだ。
だがアンナは一向に我を失う様子は無く、小首を傾げるとこう言ったのだった。
「そういえばそうよね。牧場にいた時にこの姿に変えられてしまった人を何人も見て来たけど、その誰もが『ガオ〜〜』って暴れ出してしまったわ。それなのにどうして私は平気なのかしら?考えてみれば不思議よね。」
アンナは意志の強い女性だった。そのたぐい稀なる強い精神力で暴走を抑えてしまったというのだろうか?…しかし果たしてそんな事が有り得るのか?
私は実際目の前にその事実を突き付けられながらもどうしても受け入れられずにいた。
すると…
「分かったわ!これは愛の力よ!!」
「はい?」
「私達のお互いを思う強い愛の力が起こした奇跡なのよ!…嗚呼、クラトス。愛しているわ!!」
感極まった様子で私に抱きついて来るアンナ。
その物凄い力に、私の全身の骨は「メキッ、ギシッ」という不気味な音をたてて軋んだ。
「ぐえっ!」
「あらごめんなさい。なんだか力が有り余っちゃって…」
慌てて私を放すアンナ。
「も…もう少しで死ぬところだった…」
「やっだ〜、クラトスったら大袈裟ね〜」
アンナは恥ずかしそうに顔を赤らめ(たように私には見えた)ると、太く長い腕を振り上げ私を突き飛ばした。
おかげで私は数メートル先で上半身を地中へとめり込ませる事となる。
「あ…ご、ごめんなさい…」
再び申し訳なさそうに頭を下げるアンナ。
すると今までそんな私達の様子をノイシュの陰から怖々と覗いていたロイドが言った。
「ねえ、ママなの?…そこにいるのはママなの?」
「ええそうよ。」
「でも、お山のように大きいし、緑色だし、おててもこ〜んなに長いし、ママじゃないみたいだよ?」
「それでもママなのよ。……そうだわ。この歌声を聞けば分かるかもしれないわね。」
アンナはそう言うと、いつもロイドに聞かせている子守唄を歌い始めたのだった。
「ぼぅや〜、ょい子だ、ねんねしな〜〜♪」
実はアンナは生来の音痴であった。しかし歌う事は大好きで、暇さえあればロイドに子守唄を聞かせていたものである。私からしてみればよくもあんな騒音を耳に気持ちよく寝られるものだと首を傾げることしきりであったのだが、慣れとは恐ろしいもので、いまやロイドはあの歌なしでは眠れないまでになっていたのである。私はそんなロイドを見る度に、将来、絶対音感ならぬ絶対鈍感にならないようと心の底から願わずにはいられなかった。
その聞き慣れた怪音波を耳にして、ロイドは顔を輝かせた。
「ママ!…ママだ。間違いない!」
「嗚呼、ロイド。こっちへ来てママにその顔をよく見せてちょうだい。」
「ママ〜〜!!」
両手を広げて待つ母の胸へと飛び込んで行こうとするロイド。
もちろん私はそれを全力で阻止した。まだ柔な幼子であるロイドの事。あの怪力に抱きしめられようものなら即座に潰れた豆腐と化してしまうだろう。
しかしアンナにはそれが気に障ったようで、不満そうに、恐らく口であろう部分を尖らせたのだった。
「ちょっとクラトス。母子の感動の対面をなんで邪魔するのよ!」
「気持ちは分かる。だが、せめてその有り余った力をセーブ出来るようになるまでは堪えて欲しい。」
私の申し立てにハッとするアンナ。
「……そうね。ロイドを潰してしまったら困るものね。」
途端に悲しげな表情(のように私には見えた)を浮かべ悄気返ってしまった彼女を見て、私は何とかしてあげたいと思った。そこで私は背後に向かってこう言ったのであった。
「ユアン、そこにいるのだろう。姿を現せ!」
先程からユアンが背後の茂みに潜みずっと我々の様子を窺っているのは分かっていた。
声をかけられたユアンはばつが悪そうに姿を現す。
「い、いや〜、クラトス。こんな所で会うとは奇遇だなあ。」
「何が奇遇だ!そんなおちゃらけている暇があったらアンナを救う為のなにか良い知恵を出せ。」
「よい知恵と言われてもだな。私には関係がない…」
私はユアンを睨み付け剣に手をかけた。
それを見たユアンは顔色を変える。
「!!……い、いや、よく考えてみればやはり丸っきり関係がないということはないな。と言っても私にはこれといってよいネタはないのだが…よし、ではこうしたらどうだ?実はこの先にドワーフがいるのだ。彼に相談してみればいい。ドワーフは物知りだから何かよい方法を教えてくれるかもしれんぞ。」
ドワーフだと!?
この近くにドワーフがいたと言うのか?
何故今頃になってそんな事を言うのだ。もっと早く教えてくれてさえいればアンナはこのような姿にならずに済んだと言うのに…。
私の中でユアンに対する怒りが沸々と湧いて来た。
「…貴様…直ぐ近くにドワーフがいると知っていながら今までそれを隠していたのか!?」
「い、いや、それはお前が聞いて来なかっただけで、別に隠していたわけでは……よ、よせ、クラトス。落ち着け!…ンギャ〜〜〜!!」
繰り出した私の剣を間一髪でか俺たユアンは、物凄い悲鳴を上げると脱兎の如く逃げ出して行ってしまったのだった。
「あれ?あのおじちゃん、なにか落としていったよ。」
ロイドの声にそちらを見てみると、そこにはなんと光を放つアンナのエクスフィアが落ちているではないか。
私はそれを拾い上げると、ぎゅっと握りしめた。
「あいつめ。どさくさにまぎれてこれを持って行こうとしたのだな。これはアンナのものだ。渡してなるものか!……よし。そのドワーフに会いに行くぞ!」
「待って。この足で行くの?」
「早いに越した事はなかろう?」
「でも初対面の方にこの恰好じゃあ…。せめてお化粧ぐらいしないと。」
(その顔にどう化粧をするというのだ?)
しかし女心を無下にも出来ず、待つ事一時間。ようやくアンナは化粧を終えたのだった。その仕上がった顔を見た私は、しない方がよかったのではと思ったものの敢えてその事を口にはせず、引き攣った笑みを浮かべながらロイドを抱き上げると、満足気な様子のアンナを連れドワーフの家へと向かったのだった。
「これはまた…」
ドワーフはアンナを目にするや否や唸った。
「こいつはいってえ何て言うモンスター…い、いや、生物なんでえ?」
それも無理はない。エクスフィギュアが突然目の前に現れたというだけでも驚くべき事であるのに、その上にこのエクスフィギュアには化粧が施されているのである。塗りたくった部分だけが妙に浮き上がってしまっているその奇妙な顔はまるでピエロのようであり、新種のモンスターと間違えられたとしても仕方がない。
「いえ、これはモンスターではありません。私の妻なのです。」
「妻!?…こりゃあ驚きだ。あんたモンスターをめとったのかい?エルフと人間が一緒になるっつうなら聞いた事があるが、まさかモンスターとはね!…するってえと、そこにいる子は差し詰めハーフモンスターってトコかね。」
(だからモンスターではないと言っているだろうがっ!!)
しかし私は苛々する気持ちを必死に抑えた。ここで短気を起こしてドワーフの機嫌を損ねてしまっては、わざわざここまでやって来た甲斐がなくなってしまう。
このドワーフは名前をダイクと言う。
長年一人山小屋で暮らして来た所為か、はたまた鍛冶を生業としてきた職人気質の所為なのか、偏屈で口が悪く、少々ピントがずれている。
だが、決して根は悪い人間ではなく、いかに馬鹿でも根気よく話して聞かせれば理解もしてくれるだろうし、そうすれば快く力になってくれるに違いない。
そう踏んだ私は、彼にこれまであった事を包み隠さず話して聞かせたのだった。
「う〜む。そうかい。そんな事があったのかい。」
全てを聞いたダイクは腕組みをしながら難しい顔で考え込んでしまった。
「するってえと、あんたが持っているエクスフィアはその坊やにとっては母親の形見になるってえわけだ。」
「あら。私、まだ死んではいないわよ?」
「だったら肌身離さず持っていた方がいいかもしれんな。よし、俺が要の紋を作ってやろう。」
「ちょっとおじさん、私の話聞いてる?」
「それと、庭に空いているところがあるからそこに墓を作ってやるといい。お袋さんもそれで成仏できるだろう。」
とことん自分を無視するダイクに、我慢も限界と飛びかかろうとするアンナを私は慌てて押え付けて宥めた。
その様子を見たダイクは不思議そうな表情を浮かべる。
「何を怒っているんだい?こう言っちゃあなんだが、今のあんたではこの子に母親らしい事は何一つ出来んだろう。この子にとっては死んだと同じだ。だから俺は…」
「失礼ね!ちゃんと出来るわよ!!子守唄だって歌えるし、『いないいないばあ』だって出来るわ。」
「お乳はあげられるのかい?出来んだろう?」
「あら、馬鹿にしないでほしいわね。ちゃんと付いているわよ!(なにが?)」
服を捲くし上げ胸のあたりを指差すアンナ。
それを覗きこみながらダイクは唸った。
「う〜む、確かに。」
「でしょう?…ま、どちらにせよ、ロイドはもう離乳食だから必要ないけどね。」
「するってえと、エクスフィギュアってえやつは哺乳類ってわけかい?」
「さあ?私には詳しく分からないけれど、元が人間なんだからそうなんじゃない?」
「するってえと、その姿でオギャ〜と生まれて来て、その姿でお乳を飲むって事かい?不気味だねえ。」
「あらそうかしら?私はほのぼのとした可愛い図だと思うけど?」
(お前達は一体何の話をしているんだ!)
このままでは話が横道に逸れるばかり…そう思った私は咳払いをすると話の方向性を修正するべく二人の会話に割って入った。
「ところでダイク殿。アンナを元の姿に戻す方法なのだが…」
「おお、そうだったな。あんた、ユウマシ湖って知っているかい?なんでもそこにはユニコーンっていうのが住んでいて、どんな病気も治してくれるってえ話なんだ。」
(おお、ユニコーン!その手があったか!)
私はダイク殿に言われるまでその事をすっかり失念してしまっていた。確かにユウマシ湖へは以前マーテルの病の事でミトス達と共に行った事がある。しかし、はたしてこのアンナにも効くのだろうか?
「ユニコーンを呼び出して角をポキリと貰ってくりゃあ一発よ。だが一つ問題があってな。ユニコーンってやつは純潔な乙女の前にしか姿を現さねえらしいんだ。」
「それならアンナが……え?純潔?」
思わずアンナの方を顧みる私。
アンナはそんな私に肩をすくめて見せた。
「ええ、そうよ。残念ながら私は純潔の乙女じゃないわ。あなたの所為で。」
「……」
(困ったぞ。私は男だし、ロイドも男の子だし…)
「いなけりゃ探せばいいんじゃねえかい?」
「お、おお、そうですね。いなければ探せばいい。理の当然だ。」
「だがこの近くにはいないがな。」
「え?」
純潔の娘などそこらに転がっていると思っていた私はダイク殿のその言葉に失望を隠せなかった。
「村にリフィルってえ若い先生がいるんだが、俺の見たところありゃあ完璧やっているから駄目だしな。」
「そう…なんですか?(一体何を根拠に、そうも自信満々に決定を下すのだ?)」
「そんなわけでこの近辺にはいないが、きっとどこかにいるだろう。とはいえ、今の世の中、操を守っている女なんて絶滅危惧種だからなあ…。見付け出すのは至難の業だと思うが、まあ諦めずに世界の果てぐらいまで探しに行きゃあ一人ぐらい見つかるんじゃねえかな。頑張るこった。」
(世界の果てまで行かねばいないのか!?)
ダイク殿の言葉に私は思わず眩暈を覚え目の前が真っ暗になったが、気絶する事だけはなんとか堪え、やっとの思いで弱々しい笑みを浮かべたのだった。
「…そうですね。諦めずに探し続ければきっと…」
だがそんな私に追い討ちをかけるかのように、突如怒ったようなアンナの声が聞こえて来たのである。
「ちょっとクラトス!」
振り返ると、彼女は目を吊り上がらせて(いるように私には見えた)私を睨みつけていた。
「…どうしたのだ?何を怒っているのだ?」
「どうしたですって?」
肩を怒らせながらつかつかと私に近付いて来るアンナ。
「あなたねえ、純潔な乙女を探し出してその娘とよろしくやろうとしているでしょう!?」
「よ、よろしくって…私はお前の為に…」
「何が私の為よ!騙されないわよ。私には分かっているんですからね。あなたは若い娘を集めてハーレムを作って、ウハウハとやろうとしているのよ!」
如何に私が我慢強い男でも、この言葉にはさすがにかちんと来てしまった。
私とて言う時には言う。年がら年中彼女の尻に敷かれているわけではないのだ。
「ウハウハ?ハーレム?お前は一体誰に向かって言っているのだ!私がそんな事を…」
だが今はアンナの方が強かった…。
私は言葉途中でアンナの太い腕にぶっ飛ばされダイク家の壁に頭から突っ込む羽目になる。それでもアンナの怒りは止まらず、彼女は尻を突ん出した形の私に向かって更に何度も腕を振り下ろしてきた。
「私がこんな姿になったのをいい事に、若い娘に乗り換えようなんて…。キ〜〜ッ、悔しい〜〜〜!!」
「ち、違う。落ち着けアンナ!!」
それからしばらくの間私はアンナに叩かれ続け、ダイク殿に救助された時には、瀕死状態にまで陥っていたのだった。
その後ダイク殿の取り成しによりようやく誤解をといたアンナは、すぐさま私の介抱をしてくれたのだが、パワーが有り余った彼女によるそれはとてもじゃないが介抱と呼べるものではなく、私は更にぶちのめされ、あの長い爪で引っ掻かれ、危うくあの世に旅立ちそうになった事は言うまでもない…。
「まあ、あんたも大変だろうが頑張って生きて行っておくんなせえよ。」
結局アンナを元に戻す手段は見付ける事が出来ず、受けたものと言えばアンナからの愛の洗礼パンチとこの心に沁み入るダイク殿からの慰めの言葉だけという散々な結果に終わり、私は全身包帯まみれの哀れな姿でダイク家を後にしたのだった。
それから私達は新しい借家を見つけ、そこで新たな生活をスタートさせたのであったが…。
「ウフ〜ン、クラトス。もう浮気なんてしちゃあ嫌よ。」
(だから浮気などしていないと言っているだろうが!)
しかしこのアンナとダブルベッドで寝るというのはすこぶる疲れるものだ。最近私は、毎日無事に朝を迎えられる事が如何に幸せであるかをしみじみと感じている。
そんな調子で私達が命がけのイチャイチャを繰り広げていると、隣の部屋で眠っているはずのロイドが目を擦り擦りやってきた。
「ママ〜、ろいろ、眠れないの〜。」
「あら大変。それじゃあママが子守唄を歌ってあげるわね。」
そう言ってロイドを抱き上げるアンナ。
彼女もようやく力をセーブする事を覚え始めており、ロイドを抱っこするぐらいなら出来るようになっていた。
「ね〜んねんころりよ〜」
歌いながらロイドを高々と放り投げるアンナ。
ロイドは「キャッキャッ」と喜んでいる。
「おころりよ〜(ポ〜イ)」
「キャ〜」
「坊やはよいこだ〜(ポ〜イ)」
「キャッキャッ!」
「ねんねしな〜(バシ ンッ!!)」
「フンギャアアアアア!!」
「あらいけない。ついスパイクを打ってしまったわ。」
(お前は元バレー部か!!)
なんて事を言っている場合ではない。
私は慌てて羽を広げると、屋根を突き破り夜空へと消えて行ったロイドの後を追ったのだった。
「ロイド〜〜〜!!待っていろよ。いますぐ父が助けてやるからな〜〜!」
幸いロイドは木の枝に引っ掛かって無事であった。あんな目に遭いながらも平気な顔でスヤスヤと眠っている所を見ると、この子は将来大物になるかもしれないと思ったものだが、このままでいいわけがない。今回は無事であったが、このまま放っておけばいつか大怪我をしてしまうだろう。
「だが安心しろ、ロイドよ。お前の事はこの父がどんな事があっても守ってやるからな。」
私は眠っているロイドを胸に満天の星空を眺めながら、必ずや純潔の女性を探し出す事を固く心に誓ったのであった。
−猛烈アンナさん 終−